暗算のコツ

速い暗算は「数学に向いている人」の話ではありません。難しそうに見える計算を、計算を始める前にやさしい計算へ作り替える、ひとにぎりの近道の話です。考え方はそれがすべてです。速く計算しているのではなく、計算そのものを減らしているのです。

下のどのコツにも、例題と、それが正しい理由がついています。理由を覚えればコツは忘れませんし、もっと大事なことに、いつ使えて、いつ使えないかがわかるようになります。

頭の中で数を速く足す方法

右からではなく、左から

紙の上では一の位から足します。頭の中では逆にして、いちばん大きい部分から始めます。

386 + 245 → 300 + 200 = 500 → 80 + 40 = 120620 → 6 + 5 = 11 → 631

筆算が右から進むのは、くり上がりの行き場を作るためです。でも頭の中には迷子になる紙がありません。大きいほうから始めれば、最初の一秒から「だいたい600」というおおよその答えを握っていられます。途中でじゃまが入っても、答えの大部分は手の中です。

丸めてから、直す

片方の数をきりのよい数まで押し上げ、あとで足したぶんを返します。

67 + 28 → 67 + 30 = 97、それから −2 → 95。 154 + 99 → 154 + 100 = 254、それから −1 → 253。

30 を足すのは 28 を足すよりほんとうに楽で、直しは小さなひと手間です。8 か 9 で終わる数は切り上げる価値があり、1 か 2 で終わる数は切り下げる価値があります。

まず10を作る

小さな数どうしなら、10になる組を見つけて、ひとかたまりで足します。

7 + 38 + 3 → 7 と 3 で 10 → 48

たし算は順番を変えても答えが同じなので、都合のよい順番を選んでかまいません。子どもが最初に出会う本物の作戦であり、大人がいちばん使い続けている作戦でもあります。

頭の中でかけ算を速くする方法

11 をかける

二けたの数なら、二つの数字を足して、真ん中に置きます。

36 × 11 → 3 (3+6) 6 → 396 72 × 11 → 7 (7+2) 2 → 792真ん中の和が10以上なら、1をくり上げます:85 × 11 → 8 (13) 5 → 935

×11 は ×10 足す ×1 です。36 × 10 = 360 を 36 の上に書いて足すと、数字がずれて並び、十の位が 3 + 6 になります。「真ん中に置く」きまりは、そのたし算を先回りしてやったものです。

×11 をゲームで練習する →

5 をかける

半分にしてから、10倍します。

5 × 48 → 48 の半分は 24 → 240奇数なら先に10倍して半分に:5 × 37 → 370 → 185

5 は 10 の半分で、10 は十進法でいちばんかけやすい数です。難しいかけ算を、半分にする作業と数字ひとつぶんのずらしに取り替えています。

×5 をゲームで練習する →

2倍と半分

片方を2倍、もう片方を半分にして、やさしいかけ算に持ち込みます。

14 × 5 → 7 × 10 = 70 16 × 25 → 8 × 50 = 4 × 100 = 400

片方を2倍にして片方を半分にすると、積は変わりません。2をかけて2で割ったからです。好きな数が出てくるまで、何度でもくり返せます。

5 で終わる数の2乗

十の位の数に、その次の数をかけて、うしろに 25 をつけます。

65² → 6 × 7 = 42 → 4225 85² → 8 × 9 = 72 → 7225

5 で終わる数は (10n + 5) です。2乗すると 100n² + 100n + 25、つまり 100 × n(n+1) + 25 — 「n に次の数をかけて、25 をつける」というきまりそのものです。

5 で終わる数の2乗を練習する →

9 のだんは指で

両手の指を10本立てて、かける数の指を折ります。折った指の左が十の位、右が一の位です。

9 × 7 → 7本目の指を折る → 左に6本、右に3本 → 63。

×9 は ×10 からひとつぶん引くことなので、答えの数字の和はいつも 9 になり、十の位はかけた数よりいつも1小さくなります。指は、それを読み取る道具にすぎません。

頭の中でひき算とわり算をする方法

引かずに、数え上がる

差が大きいひき算は、小さいほうから数え上がります。

1000 − 674 → 674 から 700 まで 26、1000 まで 300 → 326

ひき算は二つの数のあいだの距離で、距離はどちらの端からでも測れます。数え上がれば、0をまたぐくり下がり — 間違いのいちばんの発生地 — を丸ごと避けられます。

1000 からのひき算をゲームで練習する → — そこのレッスンは別の道(各けたを9から引き、最後だけ10から引く)で同じ答えにたどり着きます。二本目の方法として持っておく値打ちがあります。

両方をすべらせる

両方に同じ数を足しても差は変わりません — だから、都合のよい場所まですべらせます。

83 − 47 → 両方を3ずつ上へ → 86 − 50 = 36。

二つの数がいっしょに動けば、あいだの差は動きません。小さいほうがきりのよい数になるまですべらせれば、たいていのひき算はやさしいひき算に変わります。

半分をくり返して割る

4 で割るなら半分を2回。8 で割るなら半分を3回。

232 ÷ 4 → 116 → 58 96 ÷ 8 → 48 → 24 → 12

頭の中で百分率を出す方法

百分率の入れかえ

x% の y は、いつでも y% の x と同じ — そして、たいてい片方がずっと簡単です。

25 の 4% は面倒。入れかえて 4 の 25% = 1。 50 の 18% → 18 の 50% = 9。

どちらも同じかけ算 x × y / 100 を、読む順番だけ変えたものです。入れかえはただですし、反対側のほうがきれいかどうかをたしかめるのに、何の元手もかかりません。

すべてを 10% から組み立てる

10% は小数点ひとつぶん。ほかの百分率は、ぜんぶそこから組み立てられます。

ほしい数やること例(60 の)
10%点を1つ動かす6
5%10% の半分3
20%10% の2倍12
15%10% + 5%9
1%点を2つ動かす0.6

43 の 15% なら:10% は 4.30、その半分が 2.15、合わせて 6.45。

この二つで、日常の百分率のほとんどが片づきます。増減の百分率、割引、セール価格からの逆算には専用のガイドがあります:百分率の出し方

ほんとうに速くなるには

速い人とそうでない人を分けるのは三つのことで、そのどれも才能ではありません。

ゲームで練習する

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あなたの番

三問だけ — 正解だと思うものをタップしてください。

45 × 11 を暗算で

35²

98 × 102

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